マゼンタ活動日誌
誰が書くのかわからないスリル満点でお送りします。

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勝手にレビュー そのさん                 

あずみさんからバトンタッチ、ひよりです。
ここからはわたくしひよりが拙いながらもレビュー作業を引き継がせていただきます。
でもさあの素敵レビューってプレッシャーだよね!あんなに素敵なレビュー書けるだろうか。大変ガタがアシアシですが、そこは愛で乗り切りたいと思います!
そんなわけで明日はもうイベントだし!さっそく我らが女王、りなさんの作品のレビューいってみよー!



「走るな歩け、死んでみろ」


新種の睡眠障害、というか脳の奇病。眠ったまま死ぬ病気らしい。
  「坂道型、過眠症ですね」
大学病院の医者に痛ましげな表情で言われたのは、十日前だった。

      ――あと数日で死ぬ。

やりたいこと? 未練? 残していく人への配慮? あとなんだっけ。

「なんでそんなに落ち着いてるんだよ、お前」
  ワタルが言った。
    思わず笑いそうになる。
      俺はこいつと3Pをした。
                     しかも、けっこう最近。

きっかけはユカナだった。
そうだよ、あれさえなけりゃ、俺たちはずっとシンプルな形であっさりと他人へ戻っていたはずなのに。

「なあ。あそこ行こうぜ」
 俺は言う。
「増倉のさ、山。『日本一の石段』」
 はあ? とワタルが怪訝そうに顔をしかめるそれより早く、俺は立ち上がる。
「車出せよ。時間ねーし」

                次に眠れば、俺は死ぬ。



寝ると死ぬ奇病? なにそれ!
登場人物は主に二人。いわゆるワカモノであるシュウヤとワタルの幼馴染です。
これだけなのに、二人しか出てこないのに(医者も出るけどw)、二人の人生が、その土地で生きて死んでいく人生がすごくありありと脳裏に浮かぶんです。
それなのに、死という重いテーマを扱ってるのに、ちっとも説教臭くない。直接胸に迫るもので訴えかけてくる。

私は編集作業に携わる傍ら、この作品の冒頭を受け取り「とりあえずタイトルだけ教えてください!」という連絡をとったことがあったのですが、「『走るな歩け、死んでみろ』です」と聞いたとき、なぜかギクリしたことをよく覚えています。

どうして、と言われてもうまく答えられないのですが、多分、心臓に直接響いてくるようなものを感じたからかなぁ。
うまいのが、このギクリが決していやな感情ではないということ。
「えっ、何? どういうこと?」みたいな感じで気が付いたら本文を読んでいる。

本文にもタイトルにも共通して言えるのは、りなさんの文章の柔軟性です。水より少しまろやかな液体みたいに読者の中にしみ込んできて、気が付いたらいつの間にか読み終わってる、というか。
というのもひとえに、りなさんという物書きさんの先天的なセンスのたまものかなあ、と思います。きっとものすごく文学的センスがおありなのでしょうね。それなのに文学の枠におさまることなく、ましてエンタメの枠におさまることなく。
ぶっちゃけ「ジャンル・りな」を設立するべきだと思います(笑)

これは内輪ネタ、というよりもむしろ裏話なのですが、りなさんご自身はこの作品でなく別の作品をご用意されていたため、不幸な事故によりその作品データを紛失なさったことをものすごく後悔されていたんですね。
それで急いで用意された話が、コレですよ。
ありえない……ありえないよ、ジャンル・りな。

生きるって何、死ぬって何、とかそういうこととは違うんです。
ただ、生きてる。
明日死ぬから、今生きてる。
それって感慨深くならなくちゃいけないもの? 人生最後の日って、本当に大切?
答えはきっと本文の中に。
是非ご賞味あれ。

: magenta vol.1 : comments(0) : trackbacks(0) : posted by マゼン隊 :
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