マゼンタ活動日誌
誰が書くのかわからないスリル満点でお送りします。

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新刊レビュー そのさん                 
 今夜もこんにちは、祈です。
 さっそくレビューそのさんいきまっす!

 

「おしらの緋」ひより


 母方の実家に連れてこられた少女、繭。
 古い歴史と伝統を持つ名家、五鬼童家を束ねる祖母と、奔放に生きる母。
 五鬼堂家に忌み嫌われ迫害される少年カヤ。
 百鬼道中を飾る「夜行さん」――

 怪しく、静かな物語。

** 


 今回「百年夜行」というテーマを元にそれぞれ独自の物語を書きましたが、最もこの曲のイメージ通りなのがこの「おしらの緋」だな、とまず初めに思いました。
 それは歌詞をそのまま使っている、ストーリーにしている、という意味ではもちろんなく。
 物語を読む間中頭の中に「百年夜行」が流れているような、自然な感じ。
 魅力や注目点はたくさんありますが、特筆すべきは「雰囲気」と「少年少女のあやうさ」です。

○雰囲気

 舞台は東京。しかしビルの立ち並ぶ都心ではない、東京のはずれ。
 コンビニもあればスーパーもある。田舎すぎるわけでもない、私たちの住んでいるごく普通の街を想像していだければいいと思います。
 繭の母方の実家、五鬼童家は街に多大な影響力を持つ名家。
 現在五鬼童家をまとめる繭の祖母、快子がじつに喰えない人物です。静かで、でも圧倒的な存在感のある、まさに家の長。
 この地方には百鬼道中というお祭りがあり、その主役が「夜行さん」といわれる女役です。
 私はこういった伝承系の知識に疎いのですが、それでも分かるくらい雰囲気が出ています。

 娘が馬と、死にました。
 馬の首から、糸紡ぎ、
 おしら遊ばせ、絹を織る。

 ここだけでもどきどきしませんか?
 私は読んでいてとてもどきどきしました。
 語彙力がなくてうまく伝えられないのがもどかしい……
 読んでいると引き込まれる、静かで怪しい雰囲気に吞まれます。


○少年少女のあやうさ

 次に主人公、繭。
 女の子としての可愛らしさは、ありません。少女小説の主人公によくある「前向きに頑張る子」「女の子らしい女の子」とはまるで違います。不自由なく(金銭的な面で)育ち、しかし複雑な家庭環境に育った繭は実に等身大な「女の子」です。少し生意気で、傲慢で、でも大人にもなりきれず、かといって子供でもない。
 そんな等身大の女の子が実に自然に描かれています。
 次に、カヤ。
 この子がまたとても不思議で、でも魅力的。
 生意気とは違う、とても達観していて、それでいてあやうげで……読まないとカヤの怪しい色気は伝わらない! と思うのでぜひお手にとってご確認ください。
 とても冷めているカヤですが言葉の一つ一つが鋭いナイフのようで、でもそんなカヤを繭は気になって仕方ない。繭とカヤ、彼らのやりとりが実に印象的です。
 少年少女の危うげな雰囲気とでもいうのかな、とにかく読んで! 感じて! 


 伝わったかな……?
 とにかく物語の内容はもちろんですが、読み手を引き込む圧倒的な雰囲気があります。
 これは本当に読んでほしい。
 多分、読み手によって感じ方は多々あると思うのですが、少年少女のやりとりには胸がきゅっとなるはずです。


  火をもとめるは こちらへどうぞ
  




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