マゼンタ活動日誌
誰が書くのかわからないスリル満点でお送りします。

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文フリ頒布物詳細                 

  第15回文学フリマ インフォメーション

  日程 : 2012年11月18日(日)11:00〜17:00
  場所 : 東京流通センター第二展示場(E・Fホール)
  スペース:【E−46】


◆頒布物

「magenta vol.1 捧ぐ、大人のための物語」 A5/100P/600円  R-18 残部少
「magenta vol.2 それは、愛のかたち。」  A5/100P/600円  R-18
「magenta vol.3 世界にたった二人だけ。」 A5/72P/400円   R-18

「1/6 DIVA vol.2」 A5/76P/400円  全年齢 文学フリマ非公式ガイド掲載
「百年夜行 DIVA vol.3」 A5/104P/500円  全年齢

「花と魁」 A5/54P/300円  全年齢 遊郭吉原舞台の合同誌
「ビューティフル・ワールド」 文庫版/200P/800円 滅んでしまった世界、大人の童話

★委託物

「Ghost Letter」 A4(フルカラー)/20P/500円
  「ビューティフル・ワールド」の美麗表紙を描いてくださった新鋭クリエイター白豆さん
  初の創作絵本をお預かりします。必見!!


 今回メンバーの多忙もあり、残念ながらイベントあわせの新刊はないのですが、豪華委託物お預かり&既刊に残部少ないものが出てきてますので、ぜひスペースにお立ち寄り頂けると嬉しいです。
 一番新しいのは「百年夜行 DIVA vol.3」 です。原稿用紙50枚超の作品四作で500円と、うちの本の中では一番コスパが良いので(笑)お試しにもどうぞ。ミクちゃんわからなくても関係ないです。基にした曲の歌詞を本の中に載せておりますので、お題ありきの創作と言うことでお楽しみいただければー。
 また、「ビューティフル・ワールド」、頒布再開いたしますので、こちらもあわせてよろしくお願いいたします。

 良かったら会場で話しかけてやってくださいね(^^) お声のひとつひとつが創作活動のエネルギーです。

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第15回文学フリマ                 

 
 配置出ましたね! マゼンタのスペースは「E-46」になります。

  2012年11月18日(日)
  11:00〜17:00に延長決定!

  東京流通センター 第二展示場(E・Fホール)
  東京モノレール「流通センター駅」徒歩1分)

 開催が、同じ創作イベントのコミティアとかぶるということで、掛け持ちしやすいようにと時間延長されたようです。よろしくしてやっていただけると嬉しいです。

 今回からジャンルごとでの配置ということで、うちは「恋愛」で申し込んでみました。
 甘い恋愛からからい恋愛、これって恋愛? まで、本によってテイストさまざまですので、色々手に取って立ち読みしていってください。

 今回は会場入ってすぐの一列、ライトノベルやエンタ、恋愛などなど見るに華やかな列になりそうですので、埋もれないようがんばりたいと思います。今まで会場奥の方が多かったので新鮮ですね。

 頒布物詳細はまた直前に。

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コミティア101 お疲れ様でした                 

 9月2日、ビッグサイトで開催されたコミティア101に参加してまいりました。

 マゼンタ、初コミティアです!

 参加サークルは3000サークル以上、ということで、会場はとてもにぎやかでした。

  


  新刊のポスター、ペーパー、と、とても赤いマゼンタのスペースです。
 今回のポスターは、お品書き形式ではなく、どーんと新刊推し。

 ポスターや表紙を見て立ち止まってくださる方けっこういらっしゃいました。
 売り子がいると気になるかもしれませんが、気にせずゆっくり見ていってくださいねー。
 うちは合同誌だし、そこそこ厚みもあるので、好みのお話が入ってそうか判断するのも時間かかると思うのです。

 お客様としては、通りがかりに手に取っていただくというよりは、さくっといらして目当ての本を指さしてくださる方が多かったかな。
 小説だと、やっぱり、事前にHPなどでチェックする方が多いのでしょうか。
 文フリだと、一通り興味のあるブースでは立ち読みしていこう、という方が多いように見えたのですが、コミティアだと、どれだけ事前に認知していただくか、でしょうかね…。

 おひとり、「自分の勘を信じて!」とおっしゃってくださった方がいて…(笑) 楽しんでいただけますように、と願う限りです。

 お知り合いの方・お世話になっている方・お名前だけ一方的に存じていた方もたくさんあそびに来てくださって、初参加にも関わらず、全然ロンリー感がなかったです。ありがとうございました! 

 理子ちゃんと交互にお買い物にも行って、漫画も小説もいっぱいゲットしました。
 装丁に凝った小説本も多かった印象です。荷物到着が楽しみ。

 新刊、遊び紙など思ってたよりしとやかな感じで、厚みもあってマット加工で、大人っぽい感じですてきに仕上がってました。ひよりちゃん作成の中表紙が毎回レベルアップしていってこわい。
 今回、PolyphonicBranchさんに許可いただいて、本の中に歌詞を載せさせて頂いたんですが、来てくださった方に企画を説明するのにすごく便利でした。…とは言えしどろもどろですみません…。

 ちょこっと出てきた「愛のタダ本」、完全に領布終了です。
 そして今回、「DIVA1 あめふるはこにわ」が完売しました。
 お手元にある方は、長く愛でてやって頂けると嬉しいです。

 次回は11月18日文学フリマに参加予定です! 新刊予定は、10月くらいには告知できるかと。

 重ね重ね、マゼンタのブースに来てくださったすべての方に、御礼申し上げます。
 気に入って頂けましたら、今後ともなにとぞよろしくお願いいたします!

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あさってはコミティア                 


 
 こんばんは、あずみです。
 いよいよコミティアが近づいてきて、忘れものないかなーとどきどきしながら荷造りしてます。あ、ガムテープないや…←
 と、とりあえず詳細です!


 COMITIA101 インフォメーション

  日程 : 2012年9月2日(日)11:00〜16:00
  場所 : 有明・東京ビッグサイト東5・6ホール  
  スペース:【つ15b】

 ◆新刊
「百年夜行 DIVA vol.3」 A5/104P/500円  全年齢

◆既刊
「magenta vol.1 捧ぐ、大人のための物語」 A5/100P/600円  R-18 残部少
「magenta vol.2 それは、愛のかたち。」   A5/100P/600円  R-18
「magenta vol.3 世界にたった二人だけ。」 A5/72P/400円   R-18

「あめふるはこにわ DIVA vol.1」 A5/44P/300円  全年齢 残部少
「1/6 DIVA vol.2」 A5/76P/400円  全年齢 文学フリマ非公式ガイド掲載

「愛のタダ本」 A5/56P/0円(タダ)  全年齢 残部少・なくなり次第終了
「花と魁」 A5/54P/300円  全年齢 遊郭吉原舞台の合同誌


 文フリでなくなってたと思ってた「愛のタダ本」が10部くらい見つかったので持っていきます。それだけぺろっともらっていただいて大丈夫ですので、どうぞお気軽に。

 残部少の本が増えてきました。多分基本的に再版ということはしないサークルですので、完売してしまったら掲載作品は次にいつどこで読めるかわかりません。気になるものございましたら、一期一会だと思ってぜひこの機会におねがいします(笑)

 売り子は私あずみと、理子が行きます。初コミティアでさびしがってると思うので、お気軽に話しかけてやってください。

 それでは何かあればツィッターかメールで♪ お会いできるのを楽しみにしております!

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次回イベント参加                 
 

 こんにちはー! あずみです。毎日暑いですね!
 九州のほうは記録的な豪雨とのことで心配ですが… 皆さまのご無事をお祈りしつつ。

 下の方でひよりちゃんがちらっと書いてくれてますが、公式さまから「著しい不備がなければ皆様にスペースご用意できます」とのご案内をもらったので(だいぶ前にな…)おそらく大丈夫と踏んで正式にアナウンスです!
 

   

 COMITIA101 に参加します!

日程 : 2012年9月2日(日)11:00〜16:00
場所 : 有明・東京ビッグサイト東5・6ホール 

新刊予定:DIVA3 「百年夜行」 (ボカロ音楽×小説の競作シリーズ第三弾)  

 なんか画像上手にトリミングできてなくてすみません。元々PCに入っていたペイントで作ってしまうやつです。汐日さんの美しい絵が泣いてしまう…。

 毎回素敵イラストレータさんに表紙を飾っていただいている「DIVA」シリーズですが、今回もとてもとても美しい本になりそうですので、ぜひ当日スペースでご覧いただければと思います♪

 PolyphonicBranchさまの名曲「百年夜行」からインスピレーションを受けて、何人かの作家が同じテーマで物語を綴ります♪ 今回は和ロック! ということで、原曲のファンの方も、ボカロ知らないやって方も、お手に取ってみてくださると嬉しいですー!

 コミティアは初参加なので、おたおたしてると思います、どうぞ話しかけてやってください…!

 コミティアの次は間をおかずに11月の文フリに参加予定です。そちらでも新刊を予定しておりますので(そろそろスペースがいっぱいなんですが・笑)続報をお待ちくださると嬉しいです☆

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第14回文学フリマ お疲れ様でした                 

 こんにちは、あずみです。 
 ゴールデンウィーク最終日、5月6日に開催された第14回文学フリマに、我がマゼンタも参加してまいりました。

 第11回、第13回に続いて三回目の参加。スペースに並べる本の数も増えてきました。




 前回文フリとの設営の違いは、

・ポスター立てを使用してA3ポスターを飾る(お品書きも兼ねて)。
・新刊を立てて飾る。
・「magenta」「DIVA」シリーズ共通の帯を新調。キンコーズ出力で鮮やか発色。
・値段表(タイトル・ページ数・版型・値段)の文字を大きく見やすく。

 …という感じでしょうか。前回の方が、高さ的に目立ってたのかなってところもありながら。
 前回の反省や、ほかのサークルさんを見て、いいなって部分を取り入れたりしました。
 ポスターも、近づいたら声掛けられるんじゃないかって遠巻きなお客様が、少し離れて、見てくださってた雰囲気。
 値段がわかりやすいっていうのと手に取りやすいっていう部分が、私が自分が回るときに嬉しい部分なので、いちばん心がけました。

 がけましたって言ったって、ポスターを作ったのも実際に設営したのもひよりちゃんなんですけどね!(笑) こうして欲しいなって口ばっかりな私。その間、祈ちゃんは新刊のカバー巻をしてくれました。役立たずですまない…。
 今見ると、イラスト表紙とデザイン表紙、まんなかで別れてる! 色合いもなんだか、黒プラス暖色、シック華やかな感じで全体の調和がとれてきて、まとまってていい感じですね。全部デザイナーさんと絵師さんのお力です。「きれいですね!」って言ってくださった方複数いらして嬉しかった。
 新刊ふたつもすごくデザイン的にも凝ってて、長く保存したい本になったと思います。手前味噌ですが。

 それで、頒布数なんですけど、…ちょっと驚くくらい、出ました。
 前回参加の、5倍以上+無料配布本もすべてなくなりました。

 前回・前々回と、まったく知り合いのサークルさんもおらず、とてもまったり参加だったんですが、今回Twitterでお知り合いもでき、あこがれの作家さんがわざわざ来てくださったり、差し入れを頂いたり、チェックしてくださってたのかあまり悩まず買っていってくださる方がいらっしゃったり。嬉しいことがたくさんありました。
 前回「愛のタダ本」を配ったことや、今回の文フリにあわせてさまざまな宣伝ツールができたこと、文学フリマ非公式ガイドブックでご紹介いただいたこと(新刊枠です。委員会からは「場合によっては掲載されない」ときちんとご説明いただいてました。いいガイドブックが作りたいという意気込みを感じました)などなど、いろんな要因があったのだと思います。

 正直、あんまり売れないなあ…と思って、個人的にちょっと心折れかけることもありました(笑)。
 でも、非公式ガイドブックや、その流れでいろんな方が文フリを盛り上げたい、と始めた情熱的なこころみが第14回を盛り上げてくれて。個人的にも20冊以上、立ち読みサイトがなかったら出会えていなかった本を買うことができたし、密度のある一日を過ごすことができて、ほんとに楽しかったです! 文フリが、好き。そう思えるイベントで、今後もあってほしいなと思います。

 サークルとしては、まだようやく名前を認知してもらった段階。買ってくださった方に「また行こう」と思って頂けるか、毎回のぞいて頂けるサークルになれるか、というのは、まだ全然読めなくて。毎回の新刊を全力でやっていくしかないと思います。けっして文フリの相場から見れば安くはない本なのですが、それに見合う満足度をお届けできるように。一層精進します。

 あと壁際すごい助かりました、ほんと助かりました、次回もぜひこの場所がありがたいです…と配置について感謝の意を…! カバー巻くスペースがあってめちゃくちゃ助かりました。カバー巻いてくれたのも私以外の三人なんですけどね! わ、わたしあのひいったい何の仕事をしたんだろう…?

 と、取り急ぎ、ありがとうございました! またお会いできますように!



http://d.hatena.ne.jp/jugoya/20120506
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【理子】「花と魁」しょうこりもなくまたレビュってみた                 

こんばんは、理子です。
文学フリマまでいよいよあと二日ですね、待ち遠しい!
当日は、今回の新刊を出したメンバーは全員来てますので、お気軽にお声をかけてくださいね。感想なんかも直接伝えちゃうといいと思うよ! あたふたする皆を見て私はにやにやするよ!(一応私も売り子でおりますが、新作書けなかった「ぼっち」なんで、ちんまりしてます……


さてさて本日は、ひよりんと祈ちゃんの合同誌「花と魁」のレビューをさせていただきますね。
原稿送ってもらったの、実はつい昨日です。
だ、大丈夫なの? ほんとに出るの? と外野からひやひやしてたわけですが、なんとか入稿できたようで一安心。
しかし、ぎりぎりまで粘っただけあって、密度濃い濃い、クォリティ高い!
どっちも原稿用紙50枚程度の短編なんですが、その倍くらいの長さのお話を読んでるような錯覚に陥りました。うん、なんだかとってもお得感(笑)。
舞台は江戸。吉原遊郭。
しっとり淫靡で、華やかなのに虚ろな苦界。
情念渦巻く業深い女と、ずるくて危険な男たち。
爪先から絡めとられて、最後は息もしにくいくらい、婀娜めいた艶っぽい空気に酔わされるはずです。



ひより「泳ぐ蝶になれ」


 薄暗い座敷は狭く、蝋燭のゆらめくあかりが影をふるわせ、一人の遊女が男に足蹴にされている姿を浮かび上がらせていた。
 女の入口をなぞるのは、男の足の指。
「使ってみろ。客のいうことが聞けねえか」
 女は――遊女はいかにも悔しげに、唇をぎゅっと噛みしめて、上目づかいに男を睨む。十四、五程の、まだ年若い娘だった。
「……そんなもの、入ってしまったら」
 喉の奥でク、と男が嗤った。年齢不詳のくたびれた男だ。枯れ木のように細い手足がひょろりと伸び、落ちくぼんだ眼窩はしゃれこうべのよう、そのくせ瞳だけはぎらぎらと、貪欲な光を宿している。
 娘がゆっくりと唇を開いた。
「足を、退けろ」
「退かしてください、だろ」
「……退けろ!」
 男はさらにぐっと足に力を込める。秘部の入り口をなぞっていた親指がくぼみに押し込まれ、女の腹から空気が抜けた。紅い唇から漏れ出たのは小さな悲鳴。声色には恐怖が滲んでいた。


冒頭からとってもドS! これが我らのひよりんクォリティです(期待してた!)。
こんな無体なことをされちゃいながらも、気の強さのにじむ娘さんが、主人公の藤尾。遊郭の中での位は振袖新造――というのは、まだ客は取らない遊女見習いのことだそうです。
藤尾をいたぶって遊んでいる男は、彼女の姉女郎の馴染みである、大店の次男坊徳次郎。敵娼の妹分にちょっかいをかけてる悪い男というわけですね。
こんな場面の真っ最中に、姉女郎がやってくる。
彼女の名は葉桜。押しも押されぬ売れっ子花魁の葉桜は、怒るでもなく、慌てるでもなく、徳次郎の戯れを笑い飛ばして、みじめに弄ばれた妹分をさらなる屈辱に突き落とすのです。

この葉桜姐さんの泰然とした意地悪さ。
そこが一番、燃えた、たぎった!
遊郭ですもの。どろどろな女の世界ですもの。小気味いいくらいの憎まれ役が、これほど引き立つ舞台もないでしょう。
藤尾にはもともと、もっと優しい姉貴分がいたんですが、彼女は病で死んでしまった。そのあとの藤尾を引き取ったのが、この葉桜姐さんです。
「お前も、ここで死ぬしかないんだよ」
繰り返し、繰り返し、逃げ場のない遊女のさだめを吹き込む葉桜。
それでも藤尾は力強く、いっそふてぶてしいほどに、「食われてたまるか」と嘯く。
けれどもまだ、藤尾は真の絶望を知らない。
そんな彼女もやがて、この世界に巣食う虚ろな深淵を垣間見る――。

最後まで読み終えたとき、「葉桜」という名前には暗喩的なものを感じました。
盛りを過ぎた桜ではあるけれど、それでもなお瑞々しくて、たおやかなだけの花にはない強さと美しさを持つ女性。
藤尾と葉桜は少しも姉妹らしくなく、顔を合わせれば衝突してばかりいるんですが、それでもどこか通じあっていたんだろうなぁ……いや、むしろ、藤尾はこれからだんだんと、葉桜のように生きていくんだろうなぁ……と思いました。
一見しただけではわかりにくいけれど、これは多分、藤尾という少女の成長物語。「成長」といっても、決して前向きなものではなくて。それでも、ただ苦いだけでもなくて。
 
 

 
祈「露乱れて、花となれ」


「舐めな」
 太く骨ばった指先から滴り落ちる酒の露をそっと、白露(はくろ)は口に含んだ。
「ん……」
 白露の小さな口いっぱいに新之助の感触が伝わる。酔いそうだ、と白露は思った。どれほど飲んでもさほど酔いの回らない体が、新之助の指から伝わる僅か数滴の酒に、こんなにも熱くなる。
「美味いか?」
 美味いものか。だが心とは裏腹に白露の体は確かに疼いていた。触れているのは背中と太い指一本。どちらも命じられたとはいえ、白露から触れたもので、新之助は動いていない。それなのに、熱い
。熱くて熱くてたまらない。――体が、芯から疼く。
「言え、白露」
 嫌だ。
「言わないと、今日も、次も、ずっとこのままだぞ」
  嫌だ。嫌だ。
「白露」
  抱いて欲しい。その言葉を新之助は望んでいる。言えば白露は楽になるだろう。だがこれは意地だった。
「お前から俺を望むまで何度だって同じことをするよ」


引用は冒頭部分ではなく、私が一番「エロっ!」と興奮した場面からです(エロいとか言うな)。
このお話の主人公、白露は、花魁道中も堂々こなす、扇屋の看板女郎。
誰もが彼女と一夜を共にすることを望み、至上の夢を見たいと願う、正真正銘の高嶺の花です。
そんな彼女を、指から滴るわずかな酒だけで翻弄させてしまうのが、馴染みの一人である若旦那、新之助。
けれど本当のところ、新之助は、これまでに一度も白露を抱いていない。
白露が決して好きになれないような男をあてがい、自分の代わりに彼女を抱かせて、「想像するだけで、美味い酒が何杯も呑める」と笑う。
やだ、この倒錯男、壮絶にエロい! ――表現が下品になってすみませんが、でも、ねー?
一応この本はR18ではないんですが、ひよりんも祈ちゃんも、そのへんの匙加減が非常にうまいんですね。マゼンタメンバーの中では一番目と二番目に若い二人なのにね! 

そしてまた、この白露さんも、キャラクターとしての輪郭がはっきりした女性でしてね。
気高くて、凛として、酸いも甘いも噛み分けた、まさしく花魁!という人なんですが、そんな彼女が新之助の前でだけ、自分らしくいられなくなっちゃうの。そのもどかしさが非常にいいんです。
祈ちゃんの書く、こういう「強め」なヒロインは、多分、私は初めて読んだと思うんですが、いやぁ、素敵だわぁ。かっこいいわぁ。何よ、こんな隠し玉持ってたのね!という。
そんな魅力的な二人の男女が、きわどいやりとりを繰り返しながら、決して交わらないその理由。
戯れなのか意地なのか……と思っていたら、潜んでいたのは、決して忘れえない罪の香り。
そして白露にも新之助にも、このままの関係を続けられはしない
状況が訪れて――。

全編通して吸引力の強いお話なんですが、特にラストと、その一歩前のシーンが、もう本当に切ないのです。切なさ乱れ打ちです。でも、これ以上ない最高の終わり方だと思います。
作りこまれた映画を一本見終わったときのような、幸せな虚脱感がありました。同じ体験をしてほしいので、皆さまぜひぜひ読んでくださいませ。後悔させないよ!


ということで、またまたテンションにまかせた、レビューともいえないレビューになってしまいました。
どうも私のこの阿呆なノリと新刊との雰囲気がそぐわない気がします。三人ともごめん……レビューはともかく、本はね、どっちも本当に素敵なのです。来て、見て、手にとって!
文学フリマのスぺースでは、新刊二冊の他にも、既刊本もすべて取り揃えております。下の記事でひよりんがアップしてくれた、鮮やかなポスターを目印にしてお越しくださいね。
それでは、皆さまにお会いできるのを楽しみにしております! 理子でした。

 

 

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当日販売物一覧                 

 こんばんわ、ひよりです!
 理子さんの素晴らしいレビューのあとに記事を書くのが恐縮すぎる…!
 ということで、てきぱきとお報せのみ書き逃げしようと思います!

 5月6日文学フリマの販売物一覧ができました!
 画像クリックで拡大になります〜。

  

 この画像はサイトトップページにもリンクつないでありますので、よろしければご覧ください。
 また上記に加えて、当日小部数ですが無料配布本の「愛のタダ本」を持っていく予定です。

 おしらせでしたー!

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【理子】「ビューティフル・ワールド」レビュってみた                 

こちらのブログではおひさしぶりです、理子です!
サークル活動を始めてから一年半弱(ですかね。初めてのイベント参加から考えると)の間に、いやぁ、たくさんの本が出ましたね!
私自身はなかなか作品を発表できずにやや心苦しいのですが、メンバーたちの新刊はいつもわくわくして読んでいます。皆が本当に自由で、楽しんで書いているのが伝わって刺激を受けます!
で。
このたび、文学フリマ合わせの新刊2冊に、おこがましくもレビューを書かせていただくことになりました。というか、ぶっちゃけ早く作品が読みたくて、「レビュー書くから、早く原稿よこせやオラァ」と脅し取りました。横暴☆
そんなわけで本日は、あずみん&祈ちゃんの合同誌「ビューティフル・ワールド」のご紹介です。
テーマは「滅びてもなお、世界は美しい」ということで。
ぶっちゃけ、このテーマを聞いたとき、「中二病キターーー!」と思ってしまったわけなんですが、いやいや、我らがマゼンタ、あずみんと祈ちゃんの渾身の中二ですもの。「ぶってる」「っぽい」だけで終わるわけがない。
拙いご紹介になってしまうのが心配なのですが、ではまずは一作目から(文字の色が変わっているのは、本文からの引用箇所です)。
 


祈「愛しのアリア」


『おやすみ、アリア』
 優しい声。痛みも苦しみも、全てを優しく包み込んでしまう、真綿のような魔法の言葉。あの声で名前を呼ばれるだけで心が躍った。指先で優しく髪をなでられるたびに胸が高鳴り、頬に口づけられれば幸せな気持ちになれた。
 ――おやすみ。
 それは愛しいあの人との、別れの言葉。


祈ちゃんの「愛しのアリア」。
主人公は、原因不明の病気に冒された少女アリア。
彼女のそばに寄りそうのは、稀代の人形師であり、彼女の病を治したいと願う医師でもあるライアン。
彼さえいてくれれば、幸せだった。
だから、大切な約束を交わした。
そうして、眠って。変わりない明日を信じて、目を閉じて。
――目覚めた世界は三百年後。
人間という人間はすべて絶え、人形たちが支配する世界で、アリアはライアンの記憶と容姿を受け継ぐ青年人形「ファースト」に出会い、残酷な真実を告げられる。

冒頭のあらすじはこんな感じ。
このお話、メイン登場人物は何人かいるのですが、誰に感情移入しても切なくてたまらないのです。
そして切なさと同時に、誰かを想うこと……想い続けることの覚悟と尊さも感じずにはいられない。
個人的に共感して苦しくなったのは、ライアンにアリアのことを託されたファーストです。
「作られたものである」ことの不条理。そして、永続性ゆえの悲哀。それを感じさせてこその「人形」モチーフだと思うんですよね。
ライアンにアリアを託され、彼女の目覚めを待ち続けた、三百年の孤独と重圧。

「あなたが目覚めて嬉しかった。ずっと眠っているあなたが立って、その瞳に自分の姿が映っていることが嬉しくて、泣きたくて、しかたなかった」

だよね、と本当にもうシンプルに。
この言葉を、ファーストがどんな場面で、どんな表情で告げたかまでは、語りすぎになるのでしませんが……私が一番カタルシスを覚えたのは、このファーストの台詞です。やっと言えたね、とちょっとうるっとした。
で、それとは別に、このお話にはちょっとした「仕掛け」も施されているのですね。
そこで明かされる真実にもまた、「やだ……ちょっと、やだ、もうっ」と身もだえします。
切ないけど幸せで、悲しいけど満たされる。
ラストシーンで、アリアが「彼」に告げる言葉には、心が震わされました。
私は大概いい歳で、もうすっかりひねくれた大人なんですが、ものすごく久しぶりに、自分の中の純粋さを呼び起こされた気がします……って、うん、ほんとに個人的な感想すぎるんですが(苦笑)。
優しくて強くて、臆病で懸命な、人間と人形のお伽話です。




あずみ「うたかたの方舟」


  日課は男の子のお手入れ。
 明るくなったら棲み処にしている洞窟から出して、真新しい海流に触れさせる。
 白いふたご岩の片方にかけさせて、流れに攫われないように海草にゆるく繋いだ「彼」の、やわらかな金髪を梳って、細かなあわを体から払い落として。
 服のすきまに勝手に棲みつくちいさなエビを追い払って、襟のかたちを直してあげて。
 優しく、話しかける。
「おはよう、王子様」


お次はあずみんの「うたかたの方舟」。
沈んでしまった「方舟」から人魚の少女が見つけ出した「王子様」。
子供の無邪気さと執着心で、宝物にした青年を愛でる人魚姫。
穏やかな海の底、たゆたうような夢の世界。
「俺を、あげてもいいよ」
王子様はそう言ったけれど、彼は失ってしまった記憶に囚われ続けている。
不穏な過去に対峙するため、彼は人魚の少女とともに、崩壊した「方舟」を目指す。
耳の奥、蘇るのは、謎の女性の凛とした声。
「――逃げないで、エリオット」

まさかのダブルヒロインか!というのが、一読しての感想、というか、衝撃でした。
いや、読みどころおかしいのかもしれませんが。でもね、あずみんの書く女子キャラのおいしいところ両方取り!という感じの対極な娘さんたちなんです。
二人目のヒロイン(?)について語ると、ネタバレが過ぎるので、ここでは人魚ちゃんについてだけにしますけど、彼女は純粋に可愛い、萌えた。
いわゆる人間の女の子を「可愛い」と思う感じじゃなくて、本当に「人魚」という別種の生き物の魅力に惹き付けられるというか。コケティッシュで純粋で我儘で、ちょっと怖いような一面もあって。かと思えば、くるっと表情を変えて微笑む悪戯っぽさにキュンキュンして。
やー、この人魚ちゃんだけでご飯三杯いけます、と思っていたら。
物語の語り手はするりと「王子様」に変わって、彼の過去を辿る過程でミステリっぽい要素が絡んでくる。ちょっとちょっと、人魚ちゃんもっと見せてほしいのにー。いや、しかし、この先は気になる……いい構成してんなぁ……え、なんなのこれ、つまりはダブルヒロインなの!?
というのが、読んでる最中の私のリアルタイムな反応です(笑)。これ以上語るとやっぱりネタバレになってしまうな。

文章の繊細さに定評のある、あずみ節ももちろん健在。
そのへんについては、もういろんな人が語ってるし知ってることだと思うのですが、その上で「ストーリーを見せること」に貪欲になったなぁ、頼もしい……というのが、読み終えての感想でした。すみません、上から目線も甚だしい!
この「うたかたの方舟」を経て、次に何を書いてくれるのか、個人的にはとても楽しみになってしまいました。……だからどこまでも個人的な意見で締めるなって話だよ。
まさに大人のためのお伽話(しかし、存外壮大で骨太)でした。



レビューは以上なのですが……ああ、どっちの作品ももっと語りたい(ネタバレさえなければ!)。
っていうか、こんなんでレビューになってる? すごく自信ないです。でも私が楽しんだのが伝わればいいやと開き直るよ!
実はこのあと、ひよりちゃんと祈ちゃんの吉原小説本「花と魁」についてもレビューさせてもらうことになってます。
まだ原稿もらってないけど。早く読ませろー、と全力で急かしますね(笑)
それではまた近いうちに! 理子でした。

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デザイナーさん紹介                 
 
 こんばんは。あずみです! 
 次回イベントに向けて着々と準備が進み、次々回・次々々回へ向けての企画も動きはじめ… 今年のマゼンタはさらに勢いがあるな! と思っていただけそうな諸々が水面下で進行中です♪ どうぞ楽しみにしてやっていただけると嬉しいです。

 ところでですね!
 マゼンタの活動のメインは、「もっといろんなR-18小説があったっていいじゃない!」という私たちの心の叫び(笑)を、「じゃあ自分たちでやってやろうじゃないの」と実行に移した「magenta」本誌から始まりました。
 
 と、いきなり原点を振り返り始めてしまったんですが、そのvol.1の発行から、我々を縁の下で支え続けてくださってる方…。
 デザイナーさんの紹介を。今回は。

 お手元に「magenta」をお持ちの方は手に取って、お持ちじゃない方はぜひ次回のイベントで見て頂ければと(笑)思いますが。
 それぞれの号のカラーに合わせて、印象的な色合いのお花をメインに、中身はえろだけどパッと見にはシックな雑誌のような、女性でも持ち歩きやすいデザインをほどこしてあります。
 裏表紙には、短編のタイトルの周りに内容をあらわす「漢字」をちりばめ、各作家が作品で表現しようとした雰囲気や内容を、視覚からも端的に感じられるようにしてあります。

 この表紙デザインを毎号してくださってるのが、瀧沢諒さん。サイトはこちら
 大きくお仕事情報としては表に出していらっしゃらないんですけど、いつも大型イベント前はお願いするのが申し訳なくなるくらいあちらこちらからお声がかかって、装丁デザインなどをされていらっしゃいます。
 見聞きする範囲、結構依頼者が丸投げというケースも多そうなんですけど(笑)必ずデザインを担当する作者さんと内容に合わせたデザインになっているのが、もう、もう…! という。
 作者としても、嬉しいじゃないですか、自分の作品をすごく読んで大事にしてくださってるっていうのがもう! オーダーメイドですよ!
 ご本人がかなりの読書家でもあり、ご自身が小説書き(でも実はイラストも素敵…)だからこそ、作り手の気持ちも、読者として手元に置きたい本も、両方わかるんじゃないのかな、なんて。

 思いながら本題です!
 下の記事で祈が紹介している「Beautiful World」ですが、マゼンタ初の文庫本ということで、再び瀧沢さんの助けをお借りしました。
 一般で販売されている文庫本と同じような、カバーつきの体裁を採用したのですが、……カバーの背から見返し部分、本体表紙、中表紙、本文体裁まで総合プロデュースをしてくださることになりまして……

 大変なことになりました。

 ひとつひとつのデザインがあがるたびに祈と大変な騒ぎになっているのですが、全部をご紹介することは難しいので、ほんとに、一度、お手に取ってご覧ください、ほんとうにお勧めです……。
 市販の本みたい…… う、いえ、独断と偏見でよろしければ市販の本よりかわいいです……!

 ひとまず表紙をお披露目。
 白豆様ワールドで彩られていた美しい元絵が、こんなデザインになります。




 中身も、すっごい、すっごいかわいいです。なんかすごい細かいところまで凝ってる……。マゼンタのロゴまで作ってもらいました……。(上記画像の背にもちまりとおります)
 絵師の白豆さんもですが、すごく時間をかけて、大事に仕上げてくださって、ほんとに……胸が熱……。
 本棚に並べたら、きっと幸せになっていただける本になっておりますので、(中身も…きっと…)ぜひこの機会にご購入いただけたらと思います。
 もちろん完売しない限り通販も受け付けますので、文フリにいらっしゃれない方もぜひ♪ 

 白豆さんも、瀧沢さんも、本作りのお手伝いのお仕事は歓迎とおっしゃってくださっているので、マゼンタとしては先々の予約が埋まってしまうのはちょっと、ではあるんですけれども(笑)、もしこちらをご覧のサークルさんで、いつもとちょっと違う本が作りたいなって方いらっしゃれば、各サイト様よりお問い合わせください。

 マゼンタでも、これから文庫形式の本が増えるかもしれません…♪

 イベント詳細を知りたい方は、一つ下の祈の記事をご覧くださいませ。
 お会いできるのを楽しみにしております。
 
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